たった一度だけ幹事でお世話になったお客様に、ここまで御礼を尽くし、今後もご愛顧を願う、というのは、何大抵のことで出来るものではない。もし誰かがそんな話をしてくれたとしても、「ふ〜ん」と聞いてしまうだけだろう。
しかし、玉龍さんのこの実績はちゃんと手元に残っている。ウラ面はパソコンで作ってあるが、なんとオモテ面の宛名書きは必ずすべて手書き。いったい何枚書いていたのだろうかと畏れ入ってしまう。これは、熱意か、誠意か、感謝か、そのどれかか、そのどれでもない何かか。
結局は数える程しか行ってなかったお店なのに、単なる割烹・相撲料理店を越えた何かを感じさせてくれていたお店だった。昼間、駐車場への行き帰りなどで店の前を通ると、なんとなく背筋が伸びるような気がしたものだ。
宇都宮から「相撲茶屋 玉龍」がなくなって、いまだに残念な思い。でも、何かの終わりは何かの始まり。今後ともどうぞよろしくお願いします。
2014年(平成26年)8月 増淵光伸